• 山遊び
  • 水遊び
  • 自転車
  • クルマ
  • 美味しいもの
  • きれいな風景
  • 初めての体験
  • 会いたい人
  • 一緒に旅に出る仲間
LOGIN

【アウトドアブランド探訪vol.8】「アウトドア全体を盛り上げて行きたい」コロンビア・岩瀬栄祐さん、衛藤智さんインタビュー

【アウトドアブランド探訪vol.8】「アウトドア全体を盛り上げて行きたい」コロンビア・岩瀬栄祐さん、衛藤智さんインタビュー


【Profile】
岩瀬さん(上)はアパレル商品本部の課長でデザイナー。衛藤さん(写真下)はブランドマーケティング部の課長代理。それぞれ入社以前からのコロンビアファンであり、各々の経歴を生かして現在のコロンビアを支えている。
 

コロンビアへの想い

――おふたりはどういうお仕事をされていますか?

岩瀬 私はアパレル商品本部で、おもにアパレルのデザインを担当しています。

衛藤 僕はマーケティング部のブランドマーケティング所属です。じつはデザイナーと直に関わることは少ないんです。ただ、岩瀬は山に詳しいのであれこれ聞きに行くことはありますね。

――入社してどれくらいになりますか?

岩瀬 コロンビアジャパンの前身に当たるハワードに僕が入ったのは1993年です。思い返すと当時はもの作りをする立場としては厳しい時代でした。日本のアウトドアマーケットが変ったんです。中高年の登山ブームが起きて、シニア層に向けた商品を数多く作るようになりました。百貨店でアウトドアブランドを買うというスタイルが定着したのもそのころです。正直なところ、不本意でした。元来のコロンビアはビビッドな色使いなど、中高年に好まれるものと対極に位置するイメージでしたから。

――日本発信で作ることはできなかったのですか?

岩瀬 日本企画は私が入社した頃から始まっていましたが、マーケットを無視して自分が好きなものをつくれるはずもなく……。それに、コロンビアスポーツウェアジャパンが立ち上がった1997年でも中高年の登山ブームはまだ盛況でしたし。ただ、日本人向けのサイジングや、高温多湿な日本に合う裏地などは本国に提案していました。デザイン全体は流れに逆らえなかったけれど、機能面ではさまざまなトライをしていたんです。

衛藤 デザインの風向きが変わったのは渋谷当たりで大人気だったショップ『ストーミー』のおかげでしたよね。

岩瀬 現在はショップの数が減ってしまいましたが、当時はスノーボードをメインで扱っていて、そこでコロンビアのオワイヒージャケットという、ナイロンっぽさを残したアクティブなラインが売れました。当時の若者が着たかった、土臭くないアウトドアイメージが受けたみたいです。'98年のことですが、その辺からデザインの自由度が高められ日本企画も元気になりましたね。

ハンターズポイント開発秘話

――おふたりに共通する最近のトピックは?

衛藤 3年ほど前にエベレストの標高を意味する『8848プロジェクト』を提案しました。岩瀬たちの努力で特徴的な色目のユニークな製品をつくるようになったコロンビアだけど、やはりアウトドアブランドとしては本格機能もブランディングの軸として訴えたかった。そこで街からそのままアウトドアへ。なんならエベレストにも登れるものを作りたかったんです。これからのコロンビアを象徴するような。けれど怒られました…。
 

――なぜですか?

衛藤 それはコロンビアがやることじゃないと。仕方なく8848を取り下げ、『ウィン・ザ・サミット・プロジェクト』という名称に替えました。そうして岩瀬がデザインを担当して完成したのが、2014年の春夏で発表したハンターズポイントジャケット&パンツ。外国人に受けましたね。

岩瀬 実際にエベレストでテストしました。コロンビアらしい総柄プリントだけど、機能は万全。街で着てもカッコよくてエベレストにも行けるラインは2015秋冬でも展開します。

衛藤 そのハンターズポイントを手に取った本国はなんて言ったと思います? 「やっぱりいいな、エベレストは。」だって。また怒られずに済んでよかったですけどねぇ。

▲2015年5月。国際山岳ガイドの近藤謙司氏をリーダーとするTeam Columbiaがエベレストにアタック。コロンビアウエアを初めて山頂に導いた。

▲衛藤さん、岩瀬さんが関わり実現した『ウィン・ザ・サミット・プロジェクト』から生まれたビショップスフォールズジャケット。エベレスト登山でもテストされ、過酷な高所登山にも対応できることが証明されている。そんなハイスペックな機能に、ニットのような柄をまとわせたのが“コロンビアらしさ”の真骨頂。

 

コロンビアらしさ

――これからどんなコロンビアをつくっていきたいですか?

岩瀬 デザイン面では堅苦しくないもの。フィールドで着て楽しい気分になれるアパレルを提供し続けたい。配慮するのは価格です。現会長のガート・ボイルの信念は高価なジャケットではなくコロンビアを選んでもらい、そうして浮いたお金を山に行く1回分の費用に充ててもらう、ということ。そこは守りたいですね。機能は大事に、けれど機能ばかり追うのでもない。その辺のバランスでコロンビアらしさをアピールしたいですね。

▲US『ワーキングウーマン』誌の「アメリカの女性経営者トップ50」に選出された経験もあるコロンビア現会長、ガート・ボイル女史。より多くの人がアウトドアを楽しめるよう適正価格を信念とした。かつては広告にも登場したコロンビアの象徴的存在。

衛藤 ブランドマーケティングの立場でいえば、まずはアウトドアの楽しさを提案し続けること。そこからコロンビアを選んでもらう仕掛けを行うこと。もう山ブームは終わったと言われるのは悔しいんですよね。だから書籍で『LONG TRAIL HIKING』、テレビなら帯番組になった『オレゴンを歩く』といったメディア制作にも携わり、これまで以上にアウトドア全体を盛り上げていきたいです。


 

Interviewer

田村十七男
「となお、です」と答えると芸人でもないのに8割方「芸名ですか?」と聞き返される、ジャンル無頓着で人の話を聞くことに喜びを覚えるフリーランスエディター&ライター。

イラスト◎鈴木衣津子

2015.09.15
TOP|山遊び|会いたい人
山遊び
会いたい人

この記事へのコメント
全てのコメント 0