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今年こそ、自然の中でクライミングに挑戦しよう!アウトドアクライミング基礎知識まとめ

今年こそ、自然の中でクライミングに挑戦しよう!アウトドアクライミング基礎知識まとめ

クライミングの醍醐味は自然のなかにある「岩場」で登ること。大自然がつくりだした岩壁を頭と体をフル動員して登ることはインドアでは味わえない充実感があります。今回はインドアクライミングジムを飛び出して、アウトドアでのフリークライミングに挑戦するために最低限必要なことをまとめてみました。

フリークライミングとは

オリンピックの新種目の候補のひとつにも選ばれているスポーツクライミング。ここ数年で全国に400軒以上のクライミングジムができているので、インドアでのクライミングを体験したこともある人も多いかもしれません。スポーツクライミングとは、安全確保のための支点があらかじめ等間隔に設置され、落石などの危険要因を極力排した環境で行なうフリークライミングのこと。ここでいう「フリー」とは「自由な」という意味ではなく、「人工物に頼らずに前進していく(=道具に頼らない)」という意味のフリーです。アウトドアでのフリークライミングは、安全がある程度確保されているインドアでのクライミングと違って、ロープ支点の設置や回収をはじめ、すべての安全管理を自分たちで行なわなくてはいけません。ジムのように管理者がいないので、すべて自己責任。オウンリスクのもとで行なわなくてはいけないのがアウトドアのクライミングです。それゆえ、岩のてっぺんに立てたときの爽快感はインドアジムでは味わえません。また、ここに至るまでのプロセスもすべて自分たちで行なうので、達成感もひとしおなのです。

 

クライミングのスタイル

アウトドアの岩場のことを通称「外岩(そといわ)」と呼んでいます。岩は野外にあるので当たり前なんですが、「明日は(インドア)ジムにしとく?」「いや、外岩行こうよ!」みたいな感じで最近のクライマーはふつうに使っています。では外岩に行く前に、岩の形状やスケールによる登りのシステムの違いを知っておきましょう。当然、必要なスキルや道具も変わってきます。

[登り方による違い]

1.ロープクライミング

墜落防止のためにロープを使うロープクライミングには、岩に設置したボルトまたはナチュラルプロテクションに登りながらロープをかけていく「リードクライミング」(イラスト左。「リード」と略する場合あり)と、ルートのゴールとなる終了点にあらかじめロープをかけておき、万一クライマーが墜落しても上から吊り下げられた状態になる「トップロープ」(イラスト右)のスタイルがあります。どちらも途中で一度でもロープに体重をかけると完登したことにはならず、本来はリードで登れて、はじめてそのルートを「完登」したことになります。


2.ボルダリング

フリークライミングの中でも、ロープを使わないで済む高さの岩を登るのが「ボルダリング」。インドアジムでのクライミングのことをロープの有無にかかわらず、ボルダリングと呼ぶ人がいるがこれは間違い。ロープが必要な高さのルートをロープなしで登るのは「フリーソロ」といいます。
 

3.マルチピッチクライミング

1本のロープ(50~60m)で登って降りてこれる高さで行なう1回のクライミングを「シングルピッチクライミング(ルート長は30m以下)」といいますが、これを複数回つなげて、最終的に高い岩の頂上までいくことを「マルチピッチクライミング」といいます。先にリードして登る人を「トップ」、続く人は「セカンド(またはフォロワー)」といいます。
 

[岩の形状によるクライミングの違い]
4.スラブ

スラブとは土木建築の用語で法面(のりめん)。道路わきにある傾斜のゆるい側壁がそれです。クライミングでは「垂直以下の傾斜の弱い壁」をさし、見た目がのっぺりした岩をスラブと呼ぶこともあります。手がかりが小さく、足で登る要素が強いのが特徴です。
 

5.フェース

スラブよりも傾斜の立った垂直~110度ぐらいの傾斜の壁。スラブよりもホールドが大きくなり、手を使う比率が高まってくるために、必然的に腕への負担が大きくなります。人工壁に比べるとまだフットホールドが小さいので、慣れが必要です。
 

6.オーバーハング

フェースよりもさらに傾斜の強い壁です。「前傾壁」とか「かぶった壁」と呼ぶ場合もあります。傾斜が130度以上あるような場合は「ルーフ」と呼ばれ、大きめのホールドを豪快に登るものが多いです。当然、腕への負担はフェース以上に大きくなります。
 

7.クラック

岩の割れ目を登っていくクライミングのこと。傾斜はさまざまで、ジャミングという独特の技術が必要になります。支点はクラックに「カム」や「ナッツ」などを引っかける「ナチュラルプロテクション」が主体となり、それらはすべて回収します。岩には最低限の人工物しか残さない、フリークライマーがもっとも追求すべきスタイルです。トラッドクライミングと呼ぶこともあります。

 

クライミングの装備

外岩クライミングに行くにはギアはすべて自分たちで揃えて持って行く必要があります。また、すべてのギアは、使用者は正しく使えるようになる義務もあります。正しく使えないと事故になる可能性があるので、最初は経験豊富な指導者やガイドなどに教わることを強く推奨します。

・クライミングロープ

ダイナミックロープ(わずかに伸びることで衝撃を吸収するタイプ)で、初心者にはmm径前後で長さは50m以上のシングルロープを推奨。砂や泥が編み目に入り込むと傷みが早まるので、ロープバッグも一緒に購入しましょう。

・ガイドブック(トポ)

岩場への行き方やクライミングルートが掲載されたガイドブック。大型書店やクライミングショップ・ジムなどで購入可能。また、最新の情報は日本フリークライミング協会のホームページなどで確認してから出かけよう

・ビレイグローブ

ロープ確保(ビレイ)や懸垂下降をする際に着用する革製グローブ。皮製ならトレッキング用や作業服店などで売られているものでも代用可能だが、専用品は補強やハーネスにかけるためのループがあり使いやすい

・クライミングシューズ

インドアジムでの経験者で自分のシューズを持っているならば、そのままそれを使っても問題ない。1足目がゆるくなっている人は少しタイトな2足目を購入するといいだろう

・ヘルメット

どの岩場でも落石の話はあとを絶たず、事故もたびたび起きている。初心者はとくにかぶりたい。頭の形に合ったものを購入したらしっかりとフィッテイングすることも大切

・ハーネス

ロープを結ぶための安全ベルト。フリークライミング用を選ぶ。メーカー・モデルによってサイズ感が違うので、かならずショップで試着してから購入するようにしたい

・コードスリング30cm

懸垂下降時のバックアップに使用する6㎜径のコードスリング。アラミド強化繊維製などの摩擦に強いものを選ぶ。なお、懸垂下降は必ず上級者の指導のもと練習する

・P・A・S

PASはパーソナルアンカーシステム略。それぞれのループに十分な強度を持たせたチェーン状のソウンスリング。セルフビレイや支点構築にも使える便利なクライミングギア

・スリング&安全環付きカラビナ

トップロープの支点構築をする際などに使うループ状のテープスリング。強度は22kN以上ある。長さを変えて3~5本揃える。誤開放を防ぐ安全環付きカラビナは3個以上用意

・ビレイデバイス

ATCなどのチューブタイプと補助ブレーキ機能付きにものがある。前者はオールランドに使え、後者はトップロープ時に便利。いずれも指導者のもと十分な練習が必要

・クイックドロー

2つのカラビナをスリングでつないだもので、リードクライミング時にロープの流れをよくしたり、トップロープ時の支点構築などにも使える。その形状から別名「ヌンチャク」

・チョークバッグ

滑り止めの炭酸マグネシウムの粉末を入れるための小型バック。腰にテープベルトで付けて使う。内側にはボアが貼られており、チョークがなじむようになっている

[さらにもっておきたい物]

左から、

・携帯トイレ…岩場はトイレがないところがほとんどのため緊急時用に持っておきたいもの

・中上)ファーストエイドキット

・中中)ヘッドランプ…日が落ちると岩場や登山道は真っ暗。必ず持参。予備電池も忘れない。

・中下)モンキースパナ…岩に設置されたボルトが緩んでいた場合に1パーティーに1本必要。

・ブラシ…チョークを落とすために使用。古ハブラシでも可。

・ウィンドシェル…撥水性が高いものを推奨

▲必要な装備を身に付けて、レッツ・クライミング!


岩場でのルールとマナー

登れるだけのクライマーがカッコいいわけではありません。岩場を気持ちよく利用するためにはいくつかのルールや守りたいマナーがあります。基本点なルートとマナーを知って岩場へ出かけましょう。(※その岩場特有のローカルルールがある場合もあります)


 

[1]通路やルートの取り付きには荷物を広げない

荷物を広げる際には、その場所が通路やルートの取り付きになっていないかを確認する。また、岩場は下地が平らではない場合が多いのでギアなどが転落しないように注意する
 

[2]登っている人の下に不用意に入らない

他の人がルートにトライしているときに、その真下や周辺に不用意に立ち入らない。どうしても通過しなくてはいけない場合は、合間をみて「通っていいですか?」とひと声かけてから
 

[3]大声で話したり、携帯電話での通話には配慮を

登れるかどうかの真剣トライをしている近くで大声で話したり、携帯電話の通話をすると、クライマーもビレイヤーも集中できないことがある。登っている人がいる場合は気をつけよう
 

[4]岩は絶対に削ってはいけない

大自然の生み出した偶然のラインを登るのがフリークライミング。登れないからと言って岩を削ってホールドやスタンスを大きくしたり、作ったりするのは絶対にやってはいけないことだ
 

[5]岩場では火器禁止のところが多い

岩場によってはバーナーなど火器の使用は禁止されているところがある。過去にクライマーが原因で山火事が起きて、利用禁止となった岩場もある。喫煙者は吸わない人への配慮もしたい
 

[6]駐車マナーとトイレには気をつけよう

岩場によっては駐車スペースやトイレがない場合があるので注意が必要。路肩などに無理やり駐車すると林業のトラックなどが通れなくなり、トラブルになることも。多少歩く距離が伸びても、絶対に問題にならない場所を探して駐車しよう。
 

[7]コミュニュケ―ションは大切に

岩場には他のパーティーも登っていることが多い。「次、登れますか?」と声をかけて順番待ちを確認しよう。黙って登りだすのはマナー違反だ。また、地元の人がいたら挨拶も心がけたい
 

[8]登ったあとはクリーニングを!

滑り止めのチョークはクライマーの都合で付けるものであり、地元の人や観光客にとっては異物でしかない。登り終わったらクリーニングをしよう。同様にクライミングギアの残置も控えよう
 

[9]来た時よりもきれいにして帰ろう
クライマーじゃなくても当たり前にすべきことだが、自分たちが持ち込んだものだけなく、他の人が落としたものでもゴミは拾って持ち帰ろう。感謝の気持ちを持つことが岩場存続にもつながる
 

覚えておきたい8の字結び

インドア、アウトドア問わず、ロープクライミングで必要な技術が「8の字結び」。岩場で練習していては時間がもったいないので、きちんと結べているか確認してくれる指導者のもと、事前にクライミングジムなどでしっかりと練習していきましょう。

▲まずは二重8の字結びに必要なロープの長さを測る。およそ130cm程度。リーチ差により個人差があるが、何度か練習して、長さ感覚を覚えておこう

▲その130cmのところを写真のようにつまんでテニスボール大のループを作る。ロープを重ねるときは親指側に上のロープがくるように。

▲重ねたロープ先端を長い側の下を通ってループの中に上から下に通す。(これをロープをひねって行なう人もいるが、ロープがキンクするのでNG)

▲ロープ先端を手前側に引いていくと写真のようなきれいな8の字ができあがる。(この形をよくおぼえて、目を閉じてもできるぐらいに何度も練習する)

▲次にハーネスへの連結。8の字の先のロープ末端をハーネスのタイインポイント(レッグ・ウエストベルトの2つの穴)に下から上に向かって通す。

▲そのまま引いていき、8の字がハーネスのビレイループ(右写真の場合、赤い輪の部分)にぶつかるところまで引っぱる。

▲最初に作った8の字の左側にロープ末端を差し込んで引く。(※わかりやすいようにロープ末端側を短くしています)

▲最初の8の字の上に乗せて重ねていくように二重めの8の字を作っていく。(途中で下側に行ったりしないように!)

▲最後はもとの8の字の左側(写真の向きの場合、上側)から末端を引き出せば、きれいな二重8の字ができる。

▲ハーネス側も含めて8の字から出ている4本のロープをそれぞれ引いて均等に締め上げて二重8の字結びが完成。

▲念のため、止め結び(末端処理)を行なう。長い側のロープに末端側を2回巻きつける(2重めは自分側に重ねる)。

▲3重めには行かずに末端を自分側から外側に向かって通し、二重部分を絞り込むようにしながら末端を引いて完成。

▲完成状態を横から見たところ。ロープ先端を8の字右側に通した場合、8の字の下側を重ねていけば同じようにきれいに結べる。
 

経験者と一緒に岩場へ!

外岩クライミングに必要な超・基本的なことを説明してきましたが、他にも知っておきたいことや身に付けておきたい技術はたくさんあります。また岩場特有の危険もたくさんあります。まずはガイドやインストラクターなど信頼おける指導者に岩場に連れて行ってもらい、必要な技術・知識がしっかりと身に付いてから仲間同士で岩場へと出かけるようにしましょう。岩場で事故やトラブルが多発すると、地元の人たちに迷惑や心配をかけることになり、場合によってはその岩場が使えなくなり、他のクライマーも困ってしまうことになることも知っておきましょう。

 

オススメのイベント

「どんなガイドやスクールに入ればいいかわからない」と思う人も多いと思います・そんな外岩未経験者のためにぴったりのイベントが5月28・29日に、日本のフリークライミングのメッカ、長野県は川上村にある廻り目平キャンプ場の周辺の岩場、通称・小川山で開催されます。その名も「CLIMB ON ! 2016 in小川山」。リーズナブルな参加費でプロの指導が受けられるほか、有名クライマーのトークショーや各メーカーブースでの展示やお買い得品コーナーなど盛りだくさん。外岩クライミングに興味のある人は、5月最後の週末は小川山に集まりましょう!


※CLIMB ON ! 2016 in小川山
https://www.ei-publishing.co.jp/climb_on2016/

URABUSサポーター 井上大助

イラスト◎善養寺ススム
写真◎山本浩明

 

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